【Q】サイレンサーのふた!
  洗車後にジェネレーターカバーの中に水が溜まってます

 
 ちょっとした質問です。キャブのガソリンを空にしてから、トランポに積み込んだ後、さらにサイレンサーにゴム栓している人がおりますが、あれは? 何の役にたつのでしょうか?
 それと、もう1つ質問です。私は02Rev3に乗ってますが、雨降りの日乗った後や、洗車後にジェネレーターカバーの中に水が溜まってます。黒山さんは、防水されていますか?私は、洗車後にカバーをはずすようにしています。

【A】一に乾燥二に乾燥、サイレンサーに蓋なんてもってのほか

 <サイレンサーにゴム栓している人がおりますが、あれは? 何の役にたつのでしょうか?>この事に気づいたアンタはとにかくすごくエライ!トライアル練習場でも全日本パドックでも、よく練習に行く神戸の白水峡というとこでもモトクロスやっている人が来ますが、そのマシンにでも「サイレンサーの出口にゴム栓」をしている人をたくさん見かけますが、これを見ると私は倒れそうになるくらいにエンジンにはよくないことなのです。

 今はそうでもないかもしれませんが、私が現役時代の白バイ分駐所は雨が降ると「囲碁将棋読書」大会場に早変わりします。白バイは雨の日には走りません。それは白バイはただ走るだけでなくて、けっこうサーカスまがいの取り締まり運転をする必要があるからです。それと、白バイは見かけ上でも錆や汚れを嫌うからです。でもまあ、車体周りの錆や泥は見て分かりますから洗車やワックス掛けで何とかなりますが、エンジン内部はこれは見て分からないのです。

1) サイレンサーの出口にゴム栓をしている人は、すべて全員が水洗い洗車の時にここから水が入らないように栓をしているわけ。Beta Motorの健一のメカニックのイバノォーはウエスを詰め込んでいます。で、洗車後に忘れたか何かでそのままにしているだけのことです。意識して栓をわざわざそのままにはしていないでしょう。

2) 何であれ機械の大敵は錆です。夏であれ冬であれ、朝自動車のエンジンをかけたときに暖機運転のためアイドリングしておくと、排気口から煙が出ます。これは排気量の少ないトライアルマシンでも出ているのですが、少しだけのと排気系が短いからすぐに暖まって蒸発してしまうから分からないだけ。この煙は煙ではなくて水蒸気なのです。オイルが燃えているわけではありません。

3) 燃焼機関は空気とガソリンの混合で爆発させて「力」とします。空気の中には必ず水分があります。沢の練習や雨の日の練習は、特に湿度70%くらいになっています。だから、エアクリーナの入り口からサイレンサーの出口まで、極端に言うと「水分がベッタリ」と考えてください。でも、エンジンを回しているうちはその熱で蒸発していますから、何も問題ありません。でも、問題はエンジンを切った後です。

4) 熱で暖かろうがどうあれ、空気があるということは必ず水分はあります。この入り口から出口までに入り込んだ水分は熱いうちは少ない乾燥した水蒸気となっていますが、エンジンが冷えてくると入り口から出口までは当然のように、外部の湿度と同じになります。外部の湿度と同じになっても、鉄はすぐにはさび始めません。乾燥させるべく風通しのいいところとかだといいのですが、湿度の高いところで閉じこめた空間にするとすぐに錆び始めます。

5) 入り口からシリンダーまで、シリンダーから出口までは鉄はありませんから錆には関係ありません。サイレンサーの中のパンチングパイプは鉄ですが、だいたいネッチョリしたタールまるけで、オイルメッキしてようなもので問題なし。問題はシリンダーの中なのです。

6) サイレンサーの出口をゴム栓でふたをしたままだと、シリンダーから先、エキパイ/チャンバー/サイレンサーの中の空気に含まれる水分はどこへ行くのでしょうか。そう、エンジンに一番大切なシリンダーの中に逆流するのです。あげくにエンジンを切ると、その中のピスンは圧縮に負けてはねかえされ、排気ポートから見てみれば分かりますが、必ず排気ポートの穴の真ん中にピストンリングが来る位置で止まります。圧縮の低い50や125はピストンがどこで止まるか分からず、ヘタするとまともに燃焼室内部が排気ポートから見える位置で止まったりします。

7) 極端に言います。アナタって排気ポートから霧吹き器で内部のピストンリングに水をかけたいですか?もっとピストンが下がっていたら、燃焼室に水をかけたいですか?そう、サイレンサーの出口に洗車した後、栓をしたままの人はこの事をやっているのと同じなのです。次に説明しますが

<雨降りの日乗った後や、洗車後にジェネレーターカバーの中に水が溜まってます。黒山さんは、防水されていますか?私は、洗車後にカバーをはずすようにしています>

のうち、洗車後にもカバーをつけたままにしているのが、まさにサイレンサーに栓をしたままにしているのと同じなのです。
 ですから、エンストさせるのか、キルスイッチで止めるのかと、エンジンを止める方法によりピストンの止まる位置は正確に言うと違いますが、ほぼ間違いなく排気ポートからピストンリングは見える位置でピストンは止まることを知っておいてください。だったら、サイレンサーの出口にふたなんかせずに「一に乾燥二に乾燥」は当たり前です。


<それと、もう1つ質問です。私は02Rev3に乗ってますが、雨降りの日乗った後や、洗車後にジェネレーターカバーの中に水が溜まってます。黒山さんは、防水されていますか?私は、洗車後にカバーをはずすようにしています> ですが、Beta Motorの考えはコストの問題です。

1) 当然、フライホイルやジェネレーター(発電器)に水分はよくありません。でもこれは致命的な問題でなくて、外部と完全に遮断しようとすると、アルミ製のふたに完全なゴムシールになりまして、コストがかかります。で、コストの安いプラスチックのふたでとりあえずカバーしてすませるという手法です。それと、アルミのふただと岩なんかにこすれて内側にへこんだときに、高速で回っているフライホイルに傷をつけたり悪さをするけど、プラスチックだとこするだけですむ効果もあるのです。
 もうひとつ、アルミのふたで完全に密閉しようとすると、ここの部分の止めるボルトの数を増やさないといけません。今は3本で止めていますが、例えアルミのふたにしても3本では岩なんかに当たったときの衝撃は3本のネジでは持ちこたえられずにすぐにずれてしまいます。その為には反対側のクラッチカバーみたいに、止めるネジの数を増やす必要があるのです。反対側のクラッチカバーはずれるとオイルが漏れるけど、こっちはずれても空気しか漏れないから3本でいいのです。

2) 沢や雨の日や洗車をすると、必ずこのフライホイル水が入ります。入りますのレベルを超えて、水がたまっていることがあります。で、これで発電性能は悪くはなりませんが、でもよくはないのです。だからBeta Motorは上部に水分抜きの穴を追加(テクノの初期型はない)しましたが、でも、焼け石に水状態に間違いありません。

3) テクノやRev-3は、洗車をしたり沢や水のセクションを練習したあとは、必ずこのプラスチックカバーのネジ3本をはずして、この内部を乾燥させることは「セット」と習慣つけてくださいね。コンプレッサーがあれば、フライホイルの隙間からエアーで水分を吹き飛ばしてやるとパーフェクトです。で、そのあとはすぐにふたをしないで一日置いておくくらいにしてください。

4) この時に絶対にやってはいけないことは、錆の防止のために「CRCやWD-40」なんかの防錆潤滑スプレーをフライホイルの隙間から中に吹きかけないこと。何度も書いているけど、こういった防錆潤滑スプレーはゴムやプラスチックを犯しますから、クランク室と外部を遮断しているフライホイルの奥にある、大切なオイルシールを痛みつけてしまうおそれがあるからです。

 もうひとつは、カバーの周囲をシリコーンか何かで完全にふさいでしまうことです。こうやると一見水はもう入らないかと思いますが.、やった人は反省しているとおり、必ずどこかから水が入ってきてあげくにそのままにしているもんだから、久々に開けてビックリ錆まるけになってしまうのです。

閉ざされた空間はサタンのたまり場、風が通れば屁も臭くない(ナラ教教則6節3)