【Q】アフターアイドリング
 投稿者:KCC 投稿日:2002/01/22(Tue)

練習(試合)後にマシンをトランポに積む前に燃料コックを閉じたままアイドリングさせ、自然にエンジンが停止するまで置いておく人をタマに見かけます。その人たちの言によれば「トランポ内でのオーバーフロー防止」とか「なんとなく」とか「くせ」とか様々です。次回エンジンを掛けるのは1週間後というサンデーマシンにとって(そうでないすべてのマシンかもしれませんが)その行為はマシンにとってどういった効果あるいは弊害が有るのでしょうか?

また、よろしければ参考までに世界や黒山家ではどうされてるか、教えていただければ嬉しいです。

【A】キャブレターの中にガソリンを残さないようにするために必要です。

 白バイ新隊員訓練で最初にたたき込まれることは「しまうときはガソリンコックを必ず締めろ」です。今はどうか知らないけど、私達の時代の白バイの車庫には「ガソリンコックの確認」と大きく張り紙がしてありました。例えば白バイで取り締まりに出て、勤務時間がきて入庫(帰ってくること)するとき、白バイ分駐所に帰ってきてからガソリンコックを締めていたら、見つかると先輩から気合いを入れられます。白バイ分駐所に帰ってくるときに、あらかじめ手前で走行中にガソリンコックを締めて走り、分駐所に入ったとたんにガス欠でエンストさせるのが白バイ職人ちゅうわけ。これだと、コックはすでに閉まっているはキャブレターの中のガソリンもカラっ欠という理想郷世界。

 マシンをトランポに積むときはもちろん、とにかくエンジンを切ってマシンを置くときは必ずガソリンコックを締める習慣を白バイなみにつけましょうね。世界選手権のサポートの現場で、以下の情けないことを2度経験しています。

1) 健一に遅れてセクションに着きました。

2) あわててマシンを木に寄りかけてサポートをします。

3) 健一が走り終えて次のセクションに向かいます。こっちも遅れじと木に立てかけていたマシンのキックを必死でします。でも全然エンジンはうんともすんともかかりません。

4) そう、立てかけたマシンの角度が悪くて、キャブレターからガソリンが全部オーバーフローで漏れてしまっていたのです。

5) リュックサックの中に必ずスペアのガソリン1リットルを持っていますから助かりますが、パドックまで遠かったら健一の分がないから真っ青です。

 でもこのようにガソリンがキャブレターからもれるは2次的な問題で、本当はキャブレターのなかにガソリンを残したままにして置いておくと悪いという、もっと重要な問題があるのです。

 ガソリンタンクの中の空気抜き穴は、キャブレターにガソリンを重力で自然落下する分、その分の空気をおぎなえばいいのでけっこう小さな穴です。その穴も少々では漏れないように複雑な経路をしています。でも、キャブレターの中のフロート室の空気抜き穴は圧力調整穴も兼ねているのでフロート室の容量の割には大きな穴が2つも上に付いています。当然、穴はすぐ外に直接つながっています。
 圧力調整とは、エンジンをかけると負圧で同じキャブレターの内部でも・フロート室と・ガソリンと空気の混合が流れる部分(ベンチュリー部)の圧力が違うことを言います。圧力が違うからこそアイロンかけるときの霧吹き器と同じでガソリン(水)を吸い上げているのです。だからこの穴は、アクセル全開でも負けない負圧調整のために穴は大きいというわけ。

 穴の大きさが違うということは、ようするに、小さな穴のガソリンタンクの中のガソリンはそんなには蒸発せず変質もしないけど、大きな穴のキャブレターの中の残ったガソリンは常に大気にサラされているのと同じだから「気の抜けたビール」みたいに置くいとくとすぐに根性なしになるちゅうこと。次に乗るとき、一発目からしばらく気の抜けたガソリンを使いたいですか。使いたくないでしょう、だから、トランポの中にガソリンがこぼれて汚いは2の次の事でして、一番の問題はキャブレターの中に残ったガソリンは、混合ガソリンの中のオイルも変質しているしエンジンにとても悪いのです。だから、しばらく乗らずにしまうときはキャブレターの中のガソリンはカラにしておく必要があるのです。

 キャブレターの中のガソリンをカラにするには、ガソリンコックを閉めてアイドリングさせたままにしたり、トランポの横でエンストするまで8の字ターンの練習したりする方法もあります。また、フロート室の下のドレンボルトをいちいちはずしてガソリンを完全に抜く神経質な人がいたら、そういう人は性格上一生結婚出来ないでしょうね。結婚している人がいたら、奥さんは大変だろうね。

 Beta Motorも私達もブラック団全員がやっている方法が一番早くて確実です。それは簡単な方法で、ガソリンコックを閉めてマシンを、右に倒してガソリンを大地に垂らし、出なくなったら今度は反対に倒して同じ事をするだけです。大地にガソリンを垂らしては環境上問題あるかもしれませんが、でも、2億年もしたら地中を回って母であるサウジアラビアあたりに戻り、また、原油として必ず再生するとアラビアの王様は言っていますから信じるしかありません。

主は化石燃料を与えたもうた、我らはまたそれを大地に戻す事なかれ(キエフ12章3)