| 【Q】ハンドルグリップの取り付け方 投稿者:ど初心者 投稿日:2003/06/10 いつも興味津々で見ております ハンドルグリップの取り付けなんですがどのようにして取り付けられていますか? 雨の日にくるくる回ってしまい困っています。ご教示願えませんか? |
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【A】グリップの付け方スペシャルテクニックを公開します。 世界選手権日本大会もてぎは、今年で4年連続の4回やったんだけど何と何とすべての大会が雨でした。他、アイルランドとかイギリスの北海の島国、そしてチェコやポーランドの東欧は一日中雨の大会はザラ。で、こうなると人間にもバイクにも雨対策というものが必要です。まあ、人間本体は元々全天候型防水仕様の作り物ですから、風邪をひくひかないは別として、ライダーやサポートには何にも対策はしなくていいけど、雨カッパくらいを上からはおるレベルでOKです。でも、バイクには湿度が多いからキャブレターのセッティングがどうのこうのという前に、やることは簡単なんだけどもっともっと大切なことがあります。それはライダーとバイクの接点の4カ所が滑らないようにすることです。そう、ハンドルを握っている両手と、バイクに乗っている2つのブーツが滑って離れないようにすることです。 ●グローブの場合 黒山健一選手が使っている(株)RSタイチの市販品のトライアル専用グローブ「TR-PRO」は、元々、少し水に濡れた状態が一番ハンドルグリップと相性がいい、つまり、よく食い付くように設計されています。ですから、全日本関東大会真壁のようにカンカン照りの天気では、時々、真水を拭きかけて少し湿らせた状態で使っていますね。で、雨が降りでもしたらもうこっちのもん。雨に濡れてグローブとグリップが滑って大変という言葉は、こと、RSタイチの「TR-PRO」を使っている限りは存在しません。 黒山選手はイタリアのリトラットスポーツ社と契約しているわけではありませんが、ライディングウエアは、リトラットスポーツ社のを着ています。これは、BetaMotorとの契約で「すべて純正部品を使わなければならない」とありまして、黒山選手の着ているリトラットスポーツ社のライディングウエアは、Beta
Motorの純正部品(ウエア)だからです。 ●ハンドルグリップの場合 今、ご質問のハンドルグリップがクルクル回るウンヌンの回答は最後のお楽しみとして、単純にハンドルグリップの事のみ先に説明するね。黒山健一選手というよりも、元ブラック団は当初駆け出しの頃は、全員HondaTLM用のHonda純正ハンドルグリップを買って使っていました。何故使っていたかというと、これは単純に価格が安いからでして、当時で片方410円だった記憶あり。参考までに、部品番号を書いておきます。 TLMグリップゴム右 53165-KR8ー000 TLMグリップゴム左 53166-KR8ー000 でもこのグリップの欠点は (1)グローブによく食い付くんだけど、グローブの握る部分がすぐに真っ黒になる ですが、トライアルの底辺を支えているいち民間人ライダーの皆様には、グローブの握る部分がすぐに真っ黒になるという欠点さえ我慢すれば、安いということがなによりですから、使いがてがあると思います。モンテッサに乗っていた時代のコロメは、このTLMグリップゴムを使っていましたね。 で、この後に色々なメーカーのグリップゴムを使ってみましたが、結局、最後に落ちついたのが今使っている老舗のレンサルですね。このレンサル、世界チャンピオンのランプキンも世界ランキング2位の藤波選手も使っているから、ことグリップゴムに関しては、レンサルを使っている限りはあなたも腕前次第で世界チャンピオンになれるつうわけ。 レンサルのグリップゴムには3種類の硬さがあって・ソフト・ミディアム・ハードの3つです。ランプキンはハードを使っていますが、黒山選手も藤波選手も真ん中の硬さのミディアムを使っていますから、いち民間人ライダーの皆様もミディアムでいいと思う。小川選手も、同じくミディアムを使っています。このレンサルグリップゴムは定価が左右セットで2,000円なんだけど、三谷モータースポーツの1,600円が一番安いでしょうね。 ●ブーツの場合 ブーツは今現在、色々なメーカーのものがありますが、ブラック団は創設当初から全員が(株)RSタイチ経由でイタリア製のアルパインスター一本です。お父さん自身のブーツ遍歴は、最初はサミーミラーのゴム長、次がCDI(シデイ)のモトクロス用、次がクシタニ、'87年から世界選手権を2年やったときは神奈川県警白バイ御用達堅牢一番のHONDAショップ和光オリジナルブーツで、最後がアルパインスターというわけ。 アルパインスターの特徴は色々あるけど、一番の特徴はブーツ底のデザインで、見てみれば分かるけどつま先からかかとまで同じブロックデザインです。普通の靴底って、つま先があって土踏まずがあってかかとがあってですが、アルパインスターは同じつうわけ。 何故かというと、トライアルはステップに靴底の同じ場所で常に乗っているわけではなくて、足を上げたりひねったりして、その場その場、色々な場所部分の靴底で乗っています。ようするに、つま先で乗ったり、土踏まずで乗ったり、かかとで乗ったりしています。こん時に、靴底のデザインが場所によって違ったら、ステップの踏みごたえが違うというか、違和感が出ます。で、靴底をすべて同じデザインのブロックにしているというあんばい。 それと、アルパインスターブーツは履き始めは他のメーカーよりも少し硬いのです。これは、アルパインスター社の伝統的な考え方「履くことにより、ブーツの形を履く人に合わせて変形させ固定する」です。新品をいきなり履けて大会にその日から使えるブーツは信じられないと、アルパインスター社の社長は申します。 黒山健一選手の場合、新品のアルパインスターブーツを履き始めるのは雨の日にいつも決めています。まあ、雨降って地固まるではないですが、皮が雨で濡れてやわらかくなるモやわらかくなった皮が黒山選手の足の形に変形するモ変形したまま乾燥して固まる、とまあその通りにはならないでしょうが、雨の日に履くと天気の日に始めて履くよりもはるかに足は楽ですね。 ●ステップの場合 ステップはグリップを出す為には「凸凹をヤスリでギザギザに研ぐ」という言葉以外にありません。普通の日に乗る分には、別に研がなくていいどころか、研いでグリップが出過ぎて、転びそうになったときにそのギザギザにブーツ底がひっかかって足が出なくて転ぶことがあり危険ですから、研がない方がいいかもね。それに、ステップを研ぎすぎると当然ブーツ底も早く減りますから、ブーツを買って大切に使っているいち民間人ライダーは、そういう意味でも研がない方がよろしい。 雨の日や、雨の降りそうな日の大会や、沢のセクションの多い大会は、黒山健一選手はステップの凸凹は必ず鋭く鋭く研ぎ上げます。'01年の全日本新潟大会の3ラップ目の第11セクション、ここまでは藤波選手に2点差をつけトップを維持。残りあと2セクションを無難にこなせば、新潟大会はこっちのもんいただきでした。 ところがこの第11セクション、沢の中から水しぶきを上げけっこうなステアケースを越えたとたんに、左のステップの上に乗せた足がツルリと滑ってはずれ、バイクから瞬間で左に体ごと降りてしまいました。まさに、痛恨の5点であっけなく藤波選手に最後の最後に逆転されてしまったの。この原因は、ステップに乗せたブーツが滑ったことの一点。もっとステップをギンギンに研いどったらよかったは、すべては「つわもの共が夢の跡」だったですね。 ●グリップゴムがクルクル回る場合 さてさて本題の、グリップゴムがクルクル回る場合はどうするかに入りましょう。 ▲アクセル右側の場合 (1)アクセルホルダーAssyをばらして、白いプラスチックのスロットルパイプだけにします。ドミノのアクセルの場合、白いスロットルパイプはハイスロットル、日本名「早(はや)スロ」で、黒いスロットルパイプはロースロットル、日本名「遅(おそ)スロ」と呼んでいます。早スロは、少し巻くだけで全開で、遅スロはたくさん巻かないと全開になりません。その違いです。 (2)Rev-3の純正は黒い「遅スロ」がついていますが、黒山健一選手は白い「早スロ」に交換しています。以下の工作は「遅スロ」も「早スロ」も関係ありません。どちらであれ、同じ作業です。 (3)レンサルグリップの右側用の内側と白いパイプの「早スロ」の外側のそれぞれに、やや乾きの遅いブレーキクリーナーを吹きかけて濡らし、双方を最後までしっかりと差し込みます。乾きの早い速乾性のブレーキクリーナーを使うと、差し込むまでにすでにもう乾いてしまい、スンナリとは差し込めなくなります。同じブレーキクリーナーでも、瞬間で乾いてしまうものと、少しだけ乾きの遅いものがあることを知っていてね。 (4)乾きの早い速乾性のブレーキクリーナーしかない場合、コンプレッサーのエアーをグリップとスロットルパイプの隙間に吹き付けて差し込む方法をとります。 (5)で、完全に奥まで差し込んだらしばらく置いて完全にブレーキクリーナーが乾くのを待ち、グリップゴムの両側端にそれぞれステンレスのワイヤーでワイヤリングします。この時に、最後のネジリをプライヤーなんかでなくて、ワイヤリング専門特殊工具のワイヤーツイスターを使えばなおベスト。 (6)ワイヤリングして、ワイヤーの両端を最後にクルクルって巻き上げますよね。この巻き上げる位置を皆さん、どこでもいいから適当な場所で巻き上げていませんか。
(7)だから、バイクにまたがってライディングスタイルをとりアクセルホルダーを握り、グリップゴムの右端のどの部分がまったくグローブに当たっていないか確認して、その位置にワイヤリングの巻き上げ部分をもってくるようにすることがベスト。 左端は、もともとグローブに当たらないからどの位置でもかまいませんね。 (8)防水対策はこのワイヤリングで終わりではありません。アクセル側は、左端は無理ですが右端はワイヤリングした外側に接着剤を塗り込みます。このアクセル側はグリップゴムとスロットルパイプの間には接着剤は塗りません。次にまたグリップゴムを交換するとき、やっぱり接着剤を塗っていたら、それを取り除くだけで交換に手間がかかります。ですから、アクセル側は強い力でグリップゴムを握って回さないし、経験上、接着剤を塗らなくてもしっかりとワイヤリングしておけばグリップゴムがクルクル回ることはないからです。この接着剤は、黒山選手はセメダイン社の万能接着剤「スーパーX」のクリアを使います。 (9)右端に接着剤を塗って半乾きの頃に、共回り式のグリップエンドプロテクターを取り付けて完成です。アクセル側のグリップエンドプロテクターは、アクセルパイプと共に回転する共回り方式と、ハンドルに固定する固定式とがあります。黒山選手は絶対に固定式は使いません (10)16歳で始めて世界選手権に挑戦した年は、このグリップエンドプロテクターは固定式を使っていました。それはアクセル側にハンドルごと倒れたとき、共回り式はアクセル全開になるおそれがあったからです。で、泥々ヌタヌタのベルギーはビルシュタイン大会、アクセル側固定式のグリップエンドプロテクターだと、右側に転んでハンドルを泥の中に突っ込むたんびに、アクセルの動きが泥が入ってジャリジャリになり往生した経験があるの。だからこれ以降、アクセル側を泥々の中に突っ込んでもアクセルの動きの変わらない、共回り式のグリップエンドプロテクターにしたわけ。 (11)まとめますと、アクセル側はグリップゴムを差し込むときは接着剤を塗らない、左右端は必ずワイヤリングする、ワイヤリングしたあとに右端だけネバネバ状の接着剤を周囲に塗る、接着剤が半乾きの時に共回り式のグリップエンドプロテクターをつける、ですね。 ▲ハンドル左側の場合 (1)右側のアクセルパイプにつけるグリップゴムは、取り付けるアクセルパイプの長さが決まっていますから、グリップゴムもそのアクセルパイプの長さサイズに合わせて取り付けます。つまり、フリーで持ったグリップゴムそのままの長さになります。グリップゴムもその長さに合わせて作っているということ。 (2)でもね、左側もグリップゴムはフリーの状態は右側と同じ長さなんだけど、ビョ〜ンって無理矢理引っぱって伸ばして、伸ばしたままの状態で接着剤で固めて取り付けます。その理由は以下の3つ。 ・太いグリップゴムよりも細いグリップゴムの方が、握りやすいし疲れなくて力も入る。だから、引っぱって伸ばし細くして使う。 (3)具体的な数字として、スタンダードのレンサルグリップゴムは長さが12センチですが、左側は無理矢理引っぱって13センチの長さに引き延ばして取り付けます。当然、元に戻らないようにハンドルとグリップゴムの隙間には接着剤を使います。 (4)まず、グリップゴムの外周よりもかなり長い3本のタイラップバンドを用意します。次に「ボンドG17」の接着剤を用意します。それから、ハンドルの左端から13センチの部分にポンチか何かで印を入れて、差し込む距離の目安をつけます。 (5)グリップゴムを取り付けるハンドル部分外周と、グリップゴムの内側にそれぞれボンドG17接着剤を塗ります。黄色をしたボンドG17はけっこう早く乾いてきますの、以下の動作は出来るだけ素早くやって下さいね。でないと、途中でボンドが乾いてしまったら、奥にも行かないし元にも戻らず、そのグリップゴムをハサミで切り取るしか方法はなくお釈迦になりますから、素早い取り付けが肝要と心がけてください。旋盤やフライス作業で、作っている作品が失敗してダメになることを「お釈迦になる」という専門用語も覚えていて損ではありません。 (6)ハンドルにボンドを塗りました。グリップゴムの内側にもボンドを塗りました。さあ、グリップゴムをハンドルに差し込みます。この時に、ただ単純にグリップゴムをゴリゴリ押し差し込んでもダメ。それをやると、せっかくハンドルに塗ったボンドがグリップゴムの入り口に押されて全部外に押し出され、グリップゴムの内側に塗ったボンドもハンドルの端で全部外に押し出されてしまいます。結局、ボンドは塗ったものの、肝心かなめの内側接触部分にはボンドは何もない状態つうわけ。 (7)グリップゴムをハンドルに差し込む時は、左手で差し込みながら右手でグリップゴムの先っぽを引っぱって、ハンドルとグリップゴムの間に隙間を作ります。この隙間から、ハンドルに塗ったボンドをグリップゴムの中へ入れてやるのです。そして、グリップゴムは単純に押し込むのでなくて、クリクリ回転しながらハンドル外周すべてにまんべんなくボンドがいきわたるように押し込みます。 (8)素早く13センチの目印を入れた部分までグリップゴムの右側を押し込みます。当然、グリップゴムの左側からは押し込みすぎているからハンドルが少し出ています。この状態で手を離すと、伸びたグリップゴムが縮み13センチの真ん中にきます。で、素早くグリップゴムの真ん中に用意していたタイラップバンドをきつく巻きます。 (9)次にグリップゴムの右側を引っぱり、目安の13センチの位置まで引っぱり伸ばしてその状態のまま、右端にタイラップバンドをきつく巻きます。反対の左端も同じように引っぱって伸ばし、ハンドルの端と同じ位置にしてこれもタイラップバンドできつく巻きます。ようするに、グリップゴムの真ん中をきつく固定しておいて、それぞれ左右を引き延ばして規定の長さにこれまた左右を固定するという方法。片方の端をきつく結んで、片方の端を引っぱってもその距離は伸びてくれません。 (10)で、この状態でボンドが乾くまでしばらく待ちます。せっかちに早くタイラップバンドを切ってはずすと、まだボンドが完全に乾いていない状態だとグリップゴムは元の長さに戻ってしまいますからあせらずに待ちましょう。そうそう、この左側のグリップエンドプロテクターは右側の共回り式ではなくて、固定式のグリップエンドプロテクターを使いますから、グリップゴムの左端は穴をあけて使います。 (11)ボンドが乾いたら、タイラップバンドを切り取り両端をワイヤリングをします。当然、アクセル側と同じように左側の巻き上げ部分は、小指や手の平に当たらない位置で巻き上げゴムの中に押し込みます。ワイヤリングをしてその両端を見てみると、ボンドはそうはついていません。で、ハンドルを垂直にたててその両端に丸く、今度はスーパーXをまんべんなく塗り込んで水が入らないようにフタをします。ボンド社のG17は水みたいにサラッとしているから「ハンドル押し込み用」、セメダイン社の万能接着剤「スーパーX」はネッチョリしていて盛ることが出来垂れないから「両端のフタ用」と使い分けます。 (12) スーパーXが乾くまでハンドルは垂直に立てた状態でおいていてくださいね。乾いたら、左端にグリップエンドプロテクターを差し込んで完成です。これで、どんな土砂降りの中でバイクに乗っても、絶対に左右のグリップゴムはクルクル回ることはないでしょうね。この方法だと、右側のグリップゴムと左側のグリップゴムは太さの径が違うことになりますが、これは慣れの問題で時間が経つと気にならなくなります。 ゴムを伸ばせ、さすれば人生も伸びる(ヨカロ2節1) |