<Q> スイングアームが曲がってしまいました。

岩でスイングアームのスプロケ近くを打ち、スイングアームがスプロケの方に曲がってしまいました。スイングアームとスプロケの間は、わずかですが空いているので、干渉はしていない状態です。
この場合はこのまま乗り続けていいのでしょうか?また、修正等はできるのでしょうか?よろしくお願いします。

<A>

 一番大切な問題が一つありまして「前後のホイルラインがずれていないか」です。誰が考えても分かりますが、前後のホイルは一直線上にないと、バイクは真っ直ぐに走ってくれません。前後のホイルのニップルがゆるんで、ホイルを回してヘレヘレとリムが左右に動くホイルであっても、バイクが真っ直ぐに走ってくれるのは「前後のホイルラインがずれていない」からなのです。

1. あなたのバイクはスイングアームの右側にある後ろスプロケット付近を岩で打ちけました。
2. スイングアームの中は中空ですから、その中空部分だけが凹んだだけならホイルラインはずれていません。
3. でも、打ち付けたスイングアーム部分が明らかに肘が曲がるように曲がっていたら、これは後ろホイルが進行方向に向かって、少しだけど左方向に曲がっていると考えられます。

 これの確認方法は

1. バイクにまたがって前のタイヤを、真っ直ぐに向ける。
2. 多くの民間人の場合、ハンドルが曲がっていたり、前フェンダーがずれていたりしますが、ひたすら前タイヤのみを見て出来る限り真っ直ぐに進行方向に向けます。
3. そして、誰かにハンドルを横から持ってもらいます。
4. 立てたバイクの後方4メートルくらいのところに行き、後ろから後ろタイヤと前タイヤがキチンと真っ直ぐにずれていないか、地べた付近に目の位置を下げて、見て確認します。

 この方法は、その昔にお父さんがSUZUKI/RL250に乗って全日本で肩で風を切ってブリブリ言わせていた時代、SUZUKIの新型フレームのテストをしていた時に、SUZUKIのフレーム設計担当の人が現場でやっていた方法ですから、ワークスの由緒正しい方法です。

 今のお父さんの風体、汚れルンペンこじきホームレスの格好でしたら地べたに寝転がって見てみるのですが、当時も今もそうですが、SUZUKIもYAMAHAもHRCもそのメカニックや関係者は、例えばSUZUKIだったら「SUZUKIが歩いている」というキチンとした身なり、いかにもレース関係者という格好をしています。

 この間の猪名川サーキットで行われたグランドチャンピオン大会国内A級日本一決定戦、世界チャンピオン藤波選手のお父さんも観戦にきていましたが、その服装はまさに「HRCがかっこよく歩いている」でして、こっちはヨレヨレのジャージのコンペウエアでまさに「現場労働者」で、この差ですね。

 で、SUZUKIのフレーム担当の人がきれいな服装のまま、どうやって顔を地面近くにやって見るのだろう、マットか何か地面にひくのかなと見ていますと、

1. つかつかとバイクの後方約4メートルの所まで行き、バイクと反対方向後ろを向きました。
2. それじゃバイクが見えないやんか、と思っていますと、いきなり腰を折ってお辞儀をするように上半身を下げ、広げた股の間から前後のホイルラインがずれていないか確認したのです。

 ほら、どこか忘れたけど山陰のどこかの有名な観光地の景色を見る時は、後ろを向いて股の間から見るという習慣がある場所がありましたよね。あれと、同じ方法です。

 これだと、風景は逆さまになってしまうけど、地べたにはわなくても目の位置は地べたにはったのと同じ高さになりますよね。で、前後のホイルラインがずれていないかだけを見るのだから、風景が逆さまになっても問題ないという次第。

 まず、あなたの曲がったと思われるスイングアームも、この方法で見てみましょう。でも、実際問題として、この現地で目で見て確認する方法は「熟練」を要します。これで民間人レベルで、曲がっていると分かるレベルでしたら、それは相当に曲がっています。

 次の方法は、スタンドにバイクを立てて後ろタイヤをはずし、チェーンも左側の後ろブレーキキャリパーもはずして、2本のスイングアームを裸にします。そして、その曲がり具合を左側の曲がっていないスイングアームと見比べてみます。これの方が、民間人の皆様には確認しやすいかと思います。

 もし仮に曲がっていたとします。修理方法は、民間人だと曲がった部分を内側から叩くか押すとお思いでしょうが、これをやるとその押した部分だけが凹んで外には押し出てきません。そして、その方法は2本のスイングアームの中でやる必要がありますから、プレスなんかの機械が中には入らないのです。

 正しい方法は、フレーム修正機で外からその部分を引っぱります。2輪用フレーム修正機なんて持っているのは、私が知っているのは「兵庫県加古川にある、焼き肉大魔王の松井さんがやっているオートスポーツ加古川」だけです。勿論、黒山レーシングにはフレーム修正機なんていうたいそうなもんあるわけないわね。

 現実問題として、乗ってみて「バイクがまっすぐに走らない」事がないのだったら、そして「チェーンもはずれない」のだったら、そのまま乗り続けてもまったく問題ありません。その事でどこかが痛むとかはありません。バイクの風体を気にするのなら、焼き肉大魔王の松井さんがやっているオートスポーツ加古川で5,000円でやってもらうか、あっさり新品交換ですね。