<ステアリングのがた>

懐かしのRTL250Sに乗ってます、ステムナットを締めてもガタがでます
新品部品が出るか疑問ですがステムベアリングを交換しようと思いますベアリングを締める薄いナットは手で軽く締めれば良いと聞きましたがきつく締めてから戻す感じでしょうか?ご教授よろしくお願いします。


<A>

 ステアリングは、ライディングをするうえでとても重要です。その昔の3年連続全日本チャンピオンの近藤博志さんはここの強弱にとても敏感で、練習中にしょっ中締めなおしていた記憶があります。由緒正しい締め方は以下の通り。

1. 前サスペンションフォークを左右とも、上下の三つ又(トップブリッジ)に差し込み、インナーチューブの位置をだいたい決めます。ようするに上下の三つ又を仮組みし、左右のフロントフォークを差し込みます。
2. 下の三つ又のインナーチューブの左右ボルトを、一番始めに正しく強く締めつけてしまいます。
3. この状態で、バイク本体とステアリングのガタがどのくらいあるかみてみます。
4. 皆さんも経験があると思いますが、この状態でガタがないようにしてすべてを組み上げると、必ず「締まり過ぎ」でステアリングの切り返しが重くなります。
5. これは最後に締めつける一番上のボルトかナットが、すべてを更に締めてしまうからです。
6. ステアリングのガタは、あなたの言う「ベアリングを締める薄いナット」の上の三つ又のすぐ下にあるナットを上下して調整しますが、最初からこのナットでガタのないようにセットしてはいけません。
7. これは少しガタがあるようにします。この少しのガタのレベルは「職人技」でして、数やって「あっ、この位のガタだったら丁度いい」を覚えるしかありません。
8. 次に、一番上のボルトかナットをで締めます。そして、ステアリングのガタを見てみます。
9. これでまだガタがあれば、一番上のボルトかナットをゆるめて、上の三つ又のすぐ下にあるナットを少しだけ締めて、また同じように一番上のボルトかナットを締め込み確認します。
10. 一番上のボルトかナットを締め込みまして、最初からガタが全くなかったら、それで「OK」ではありません。これも、上の三つ又のすぐ下にあるナットを少しゆるめなおして、ガタを少し出す位置を確認します。
11. 一番大切なことは、ステアリング左右の切り返し感覚は
  a. →ガタが出る寸前でも
  b. →重く感じる寸前でも
どちらでも、使えますし、その差は民間人では分かりません。
12. ベストは「ガタが出る寸前位置」です。
13. ですから以上の行程を繰り返し、一度ガタがほんの少し出る位置にして確認し、その位置から「上の三つ又のすぐ下にあるナットをほんの少し締めて」セット完了です。
14. 再確認します。この状態では必ずまだガタがあります。一番最後のボルトかナットを締めて、始めてガタがなくなります。
15. 最後に上の三つ又の左右インナーチューブを締めつけているボルトを締めて完成です。
16. 一連の作業でのボルトナットの締め込みには、まったくトルクレンチを使ってはいけません。すべては、アラーの神のおぼし召し、身に覚えた勘と経験で締めてくださいね。