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世界のトップライダーには体格差というか、身長差があります。私が知っているライダーでいうと、一番高いのは引退したスティーブ コリーで190センチくらいで次がドギー ランプキンで188センチくらいです。低いのはアモス ビルバオで167センチで藤波選手も170センチ付近です。黒山選手は175センチで、小川友幸選手は178センチで、おまけの二郎君は179.6センチで180の大台にあと少しです。成田選手は182センチです。ちなみにお父さんの私は態度がでかいから高く見えるかもしれないけど、163センチです。
で、背の高いグループと背の低いグループで、ハンドルの幅や取付角度のセッティングはどう違うのでしょうか。
ハンドル幅は確かに違います。単純に考えても背の高いのはリーチも長いから幅は広くしています。というよりも、スティーブ コリーもドギー ランプキンもレンサルハンドルのスタンダードのままで81.5センチのままです。
考えてみるに、もっと幅が広くてもよさそうなもんだけど、幅の広いスペシャルハンドルは別に作ってもらっていなくてスタンダード幅のままです。メカニックは両端を切ったりしなくていいから楽ですね。
背の低いリーチの短いライダーは、当然、ハンドル幅は好みで両端を切って使っています。どのくらいのハンドル幅にしているかは、今回は本題ではないのでパスします。
さて本題のハンドルの取付け角度ですが、これは結論を先に書くと「皆さんほぼ同じ」です。背の高いドギー ランプキンのバイクも、低いビルバオもマークフレィシャーのバイクにもまたがってみたけれど、これは皆さんほぼ同じハンドル倒し角度です。
背の高いのは懐を広くするためにハンドルを前に倒し、背の低いのはバイクを押し出しやすくするために後ろに持ってくるというのは、民間人には「説得力」のあるお言葉です。でも、世界のトップの現場ではそうではありません。ハンドルの前後の倒し角度は「ほぼ皆さん同じ」なのです。
その「ほぼ皆さん同じ」の角度の合わせ方を説明いたします。
1. 本人ともう一人目が良くて、斜視でない人をどこからか連れてきます。一人では絶対にハンドル角度合わせは出来ません。
2. テニスコートみたいに水平な場所で、かつその水平な所から垂直の柱か何かが立っている場所を探します。
3. バイクのハンドル部分を垂直の柱か何かの所に持っていき、本人が、足を地面について立ってバイクにまたがります。
4. その状態では前後のサスペンションは沈んでいません。
5. その状態で、ハンドルから手を離しシート部分を持ちながら体ごと後ろに持っていって、後ろフェンダーのしっかりした部分に腰を下ろします。あまり後ろに腰掛けると、後ろフェンダーだけがフニャリと曲がるだけで、後ろサスペンションは沈みませんですね。
6. 後ろフェンダーのしっかりした部分に腰を下ろしますと、後ろサスペンションは沈みましてバイクは前上がりの格好になります。
7. この状態で、横から見てハンドルが地面に対して垂直の位置がベストの位置です。
8. ハンドルが垂直かどうかは、感と度胸ではいけませんので、垂直の柱にハンドルを重ね合わせ、それを横から目のいい斜視でない人に見てもらいます。
9. 体重の重い人はすごく後ろサスペンションが沈みそうですが、そういう人達はサスのスプリングを締めていますから、結局はだいたい同じハンドル倒し角になるわけです。
10. だいたいこのハンドル倒し角度は、普通の状態で垂直より少し前ですね。
もてぎの世界選手権で世界のトップライダーのハンドル倒し位置を見てみましょうね。「何やこれ」っていうハンドル位置のライダーは絶対にいません。
ドギー ランプキンがBetaに乗っていた時分に、ドギーのバイクに「ドギーってどんなエンジン性能で乗ってるの」ってしょっ中お父さんは確認の為に乗っていました。BetaMotorの考え方が自由奔放だからこういう事が出来たし、今もトニー ボウのバイクにも試し乗りし放題です。黒山選手がHONDAかHRCと契約していたら、こういう<Q>&<A>文章自体がこの世に存在しないでしょうね。
で、ドギー ランプキンのハンドルは、幅さえ短くすればお父さんでもそのまま乗れるハンドル角度だったことを、天地神明に誓って申し上げます。
藤波選手のお父さんは、2級整備士免許も持っているし旋盤回せてアルゴン溶接も出来るしメカも相当の実力を持っています。でも、藤波選手のメーカーとの契約上、息子のバイクの掃除はしていいけど、サスペンションのオイル交換どころか、エンジンをばらすなんてとんでもない契約違反になるのです。
藤波選手のバイクのテストの為に三谷英明選手がバルセロナに行きました。そして、当時Montesaで世界チャンピオンだったドギー ランプキンのバイクに少しだけ乗りました。それを見つけたMontesaチーム監督のシレラというのからこっぴどく怒られました。ようするにチーム監督の許可なく他のライダーのバイクに乗るなです。
GASーGASのアダム ラガのバイクも秘密のベールをかぶったバイクです。私が横に座り込んでのぞき込むように見ていると、メカニックが寄ってきて「見るのは言い、でも触るな(ルックOK、タッチNO)」と必ず言われます。アダム ラガのバイクに、同じGASーGASに乗るスティーブ コリーやジェローニが乗っているのを見たことがありません。
でも、BetaMotorは契約ライダー全員が「回し乗り」の伝統があるのです。どっちがいいかの批評をしているのではなくて、そういうものですよというお話しです。
レバーの角度ですが、平均的には左右共に水平よりも少し下ですが、これはライダーの身長と好みによって少しだけは違います。でも、そうは極端なのはハンドル角度と同じくいませんですね。