【Q】03SY250クラッチの張り付きについて
質問なんですが・・・
03SY250ですが エンジンかけてギアを入れると最初の1回だけなのですがクラッチが切れずに、すっ飛んでいってしまいます。(たまにじゃなく、必ずなります)
少し前に進みながら、押しがけみたいな感じで乗らないと危ないくらいです。
次からは正常に切れるのですが・・・ 暖気を長くすればいいかなと思いやりましたが、変わらずです。フリクションディスクとクラッチプレートともに全部交換しましたが、 最初のうちはいいのですが、またなりだしました。オイルはモチュールのトランスオイルを使ってます。
オイルが原因かと思いいろんな種類のものを使ってみましたが、変わりません。クラッチが張り付く原因が何かあるのでしょうか?
乗り終わりに、こうするとなりにくいとか言うことがあれば教えていただきたいです
<A>
最終学歴が大阪府警察学校柔道部のお父さんは、機械的な構造の専門知識は皆無です。お父さんの文章回答の中にしょっちゅう出てくる「経験上」という現場経験だけが頼りの、お父さんのトライアルメカニック訓。
ということで、その症状は、ことトライアルバイクに限ってはどのバイクでもなります。何故なるのかの原因は、きちんとその筋の勉強をした人は正しく回答できるかもしれませんが、お父さんには「多分、クラッチフリクション板とクラッチ鉄板が張り付いているんでしょうね」レベルの回答しか出来ません。経験上、毎日乗っている人のバイクはまずなりませんし、なっても、ほんの少しです。これは黒山選手のバイクはBetaでもスコルパでもそうです。反対に、週一バイクは朝の一発目には必ずなります。で、これはいち民間人皆様全員必ずなるとして、ならない方法はないかということをあれやこれや模索するよりも、なると知っての対策の方が実は大切というか、民間人仲間内で「男」になれるのです。
例えば、あなたがバイク屋さんに大切なバイクを何だかの故障で持ち込んだとします。そのバイク屋のメカに強そうな大将が、エンジンをかけてクラッチを握りギアを1速に入れたとします。これで、あなたの言う症状が出てバイクが前に飛び出して、その大将がビックリしてあわてふためいたとします。あんたはそのバイク屋の大将を「なんだ、こいつは何にも知らんやつやな」と思うことでしょう。
反対に、その大将がギアを入れるときにお店の外に出て安全な場所で、バイクを少し前に押しながら1速にチャンってギアを軽く入れたらあんたはどう思います。「こいつ知ってる」ですね。
他の事で男になれる事があります。ギアが4速に入ったまま置いてあるバイクがあったとします。エンジンをかけるのにニュートラルにする必要がある場合、左足でチャンチャンとギアダウンしてニュートラルを探すんですが、その時に「足だけでシフトダウンする」のと「バイクを少し前後に動かしながらシフトダウンする」のとでは、知った人が見たら「こいつ何にも知らん」になるか「こいつ知ってる」の差で、以後の見る目がぜんぜん違ってきます。
いくらバイクのメカのうんちくを知ったらしくしこたま言う人でも、こういった基本的なバイクの症状を知らずに、朝一 一発目いきなりギアを入れたり、エンジンのかかっていないバイクのギアのニュートラルの入れ方に情けないことをしていたら、それだけで「口だけうんちく人間」のレッテルを貼られます。
本題に戻ります。朝一は必ずそうなります。クラッチレバーを何回も握ったり離したりしても、またギアを入れるときにドラエモン握りをしても、なるときはなります。おあきらめ下さい。これは機械構造の宿命です。
Betaの場合、水ポンプのところのオイルシールが弱くて、結構すぐに水がミッション室に入ってきてミッションオイルが白濁することがあります。この場合は、特にこの症状はひどいですね。
<オイルはモチュールのトランスオイルを使ってます>ですが、それがベストです。昨年の国際A級チャンピオンの坂田匠太選手もそのオイルを使っています。ということは、そのオイルを使っている限り、国際A級のチャンピオンまではなれるということです。
ここでミッションオイルのうんちくを少し。こと「トライアルに限っては」のことが前提で話を進めます。
*トライアルに限っては性能が悪いという表現は如何と思うけど、安いオイルの方がよろしい。ブラック団の原点は50ccです。何故かというと、無いパワーをクラッチワークで引き出す能力を身につけようという目的からです。
でも、今から考えるとこれは間違いで、最初から250に乗っても、これはこれで上へ登っていくのの間違った方法論ではなかったのです。さて、ブラック団一番のお金持ちは藤波さんです。三重県四日市の7代続く庄屋さんの豪農です。で、Beta50貴久号のミッションオイルは超高級な4サイクルオイルをいつも使っていました。ブラック団一のビンボーは、名古屋のどくだみ荘で家族が肩を寄せ合って住んでいた加賀さんです。
加賀さんは、当然のように日曜大工のお店で、しかも特価品で売っている一番安い4サイクルオイルを使っていました。何故4サイクルオイルなのかというと、当時は2サイクルミッション室専用ギアオイルなんて売っていなかったから。で、ブラック団は毎週のように、例えば奈良の生駒山とか滋賀県の竜王とかに集まり合同練習会をやっていました。全員が同じBetaTRー50です。そうこうしているうちに、半クラッチをギンギンに使ってパワーを絞り出すセクションをやると、必ず藤波貴久君のは回転ばっかり上がってつながらず、加賀国光君はきれいにつながって登っていくのです。
藤波パパ、最初は腕のせいと思って見ていたけど、あまりの息子のふがいなさに腹をたて、貴久君の50をひったくるように取り上げて自分が乗ってみてビックリ、クラッチが繋がっていないのです。すかさず、国光君を蹴り倒し50を取り上げて乗ってみてまたビックリ、こっちはクラッチがきれいに繋がっているのです。
それからアーヤコーヤ皆さんでメカニック談義しての結論「オイルが悪い」です。高くて良いと言われるオイルは「鉄が摩耗しないように滑り剤が入っている」、反対に安いオイルは「鉄が摩耗しないようする滑り剤が少ない」というシロウト考えの結論。この高級なオイルに入っている滑り剤がクラッチに悪さをしていると考えました。
藤波さん、貴久君の50に加賀さんと同じ日曜大工のお店で特価品で売っている、一番安い4サイクルオイルを使ってみるとクラッチの滑りはピッタリと止まったのです。お金持ち高級志向よりも、貧乏人根性の方が勝ったの一幕でした。
*4サイクルオイルを、2サイクルミッション室に入れるバカがいるオイルは金属のこすり合いをやわらげ潤滑するのが目的です。バイクに限っていうと、金属のこすり合いとは以下の2つ。
・ベアリングに代表するように「点と点が回転する」のをオイルで潤滑する
・ピストン、ピストンリングとシリンダーの関係に代表される「面と面の往復する」のをオイルで潤滑するこの場合、シロウトの誰が考えてもベアリングの回転運動よりも、ピストンリングの往復運動の方が潤滑させるオイルの能力は重要です。
4サイクルオイルは、シリンダーの中のピストンの往復の潤滑オイルと、ミッション室の回転の潤滑をするギアオイルというように、一つのオイルで両方の潤滑を兼ねています。で、当然のように高いオイル能力を要求させるピストンの往復の方に力が入れられまして、クラッチギアの潤滑の方は2の次なのです。表現は正しくないかもしれませんが、鉄と鉄の摩耗を防止するには、鉄同士を滑らせればいいし、鉄同士をオイルでコーティングしてしまえばいいのです。
で、高級な4サイクルオイルほど、この鉄と鉄の摩耗防止剤がたくさん入れてありまして、これは滑ってはいけないクラッチには反作用で悪いのです。この事は50のクラッチ、金持ち藤波さんとビンボー加賀さんとの戦い事件で、加賀さんが勝利の雄叫びを上げたことで、シロウト集団でも分かった実体験です。
*100%化学合成オイルと鉱物油の違い高級な2サイクルオイルも4サイクルオイルも、その能書きを見ると必ず「100%化学合成オイル」と書いてあります。そして、安物のオイルにはこれまた必ず「鉱物油」と書いてあります。真ん中らへんの中級オイルに「部分合成オイル」というのがありますが、それは今回はパスします。
2サイクルオイル紹介の時に書いたけど、オイルは原油からガソリンを精製したときに出るカス残留物から作ります。おからは豆腐を作ったときに出る残留物から作るのと同じです。ですから、オイルはガソリンメーカーのが一番よろしいというのは説明済みでパスします。
ガソリンを精製したときに出るカス残留物はオイルの原材料で、これを鉱物油といいます。でもこの鉱物油は単なる素オイルでして、潤滑性や耐久性で問題がありますので、これの上澄みをていねいに取り出して精製しなおし、化学薬品を入れて作り出すのが「100%化学合成オイル」です。まあ、こう単純に考えてください。
今現在、どのメーカーでも販売している2サイクルミッション室専用オイルは、ほとんどが鉱物油と書いています。つまり、メーカーも2サイクルミッション室専用オイルは、鉱物油が一番よろしいと知っているからです。でも中には2サイクルミッション室専用オイルにも高級志向があって、100%化学合成オイルのもありますから、これは使わない方がよろしい。
BetaMotor純正イタリアンペトロール製2サイクルのミッション室専用オイルには、英語表記でミネラル→日本名鉱物油と書いてあります。ランプキンもこのオイルを使っていましたから、2サイクルのミッション室専用オイルには、この鉱物油でクラッチも滑らずにつながり世界チャンピオンになれるということです。
鉱物油は安い→これを売るよりも→高い100%化学合成オイルを売った方が儲かる、という図式で各オイルメーカーは→高級4サイクルオイルも湿式クラッチ対応していますから、2サイクルのミッション室にも使えますよ→2サイクルといえどもギア室には4サイクルオイルを使いなさいよ→とうたっている訳。
*どうしても4サイクルを使いたい人にはなけなしの貯金をはたいてバイクを手に入れたのに、安物オイルを使うのに抵抗がある人には以下のアドバイスをします。4サイクルオイルには以下の表記が必ず書いてあります。
規格:SL相当 JASO:MA
このなかで JASO:MAの「MA」というのが湿式クラッチ対応という意味で、4輪の4サイクルオイルにはクラッチは関係ありませんので、ここにはJASO:MBと書いてありまして「MB」とは湿式クラッチ対応していませんから滑りますよという意味です。
ですから、その昔にカストロールから限定で販売された4輪専用超高級オイル1リットル12,000円の製品名シントロンをテストで使ったとき、瞬間でクラッチが滑ったはずですね。
*鉱物油の2サイクルのミッション室専用オイルの使い方鉱物油は安くて、例えば定価で以下の通り
・モチュールのトランスオイル→1リットル1,200円
・BPのスーパーギア80W-90EP→1リットル1,200円
鉱物油の欠点は、耐熱性がない、耐久性がない、潤滑性が悪いと3悪の代表みたいなオイルです。だから安いのです。でも、ことトライアルに限って使うには、それを使ったランプキンが世界チャンピオンになりましたから、それで十分の性能ということです。
鉱物油2サイクルのミッション室専用オイルを使うのの注意点はただひとつ。それは早い目早い目に交換していくことです。週5日練習する黒山選手の練習量で、週いち交換で問題ありません。これは
<高級なシルクのパンツを1週間はき続けるのよりも、100円均一の安物パンツを毎日はき替える方が気持ちいい>
のと同じです。
*まとめ
今は種目別オイル全盛の時代です。ブラック団全盛の時代はそうではありませんでした。まとめとしてごく普通のことを書きます。こと2サイクルトライアラーに限っては
・ガソリンに混ぜるオイルは2サイクル混合専用オイル →100%化学合成油
・ミッション室に入れるオイルは2サイクルミッション室専用オイル →鉱物油
を使ってください、ということです。いやいや、やっぱり安い鉱物油よりも高級な4サイクルオイルの方がクラッチのタッチが良いという人には以下の言葉を贈ります。
・鉱物油を使ってトライアル世界チャンピオンになったランプキン、はたまた世界ランキング3位までいった黒山選手に勝ってからものを言えやあ、です。
・ついでに、どうぞ役立たずの高級高価な4サイクルオイルをなけなしの貯金を切り崩しいつまでもお使い下さいませませ。