【Q】フロントブレーキの不調
04ガスガスプロ250中古を、オークションで個人から買いました。このバイクのフロントブレーキの不調についてお尋ねします。
平地走行の時はガッチンガッチンに効いているのですが、フロントが浮いて着地した時にレバーがスカスカになります。乗車したままレバーで何度かポンビングするとまたガチガチになります。スカスカの度合いは、しっかり握ってレバーの止まる位置が、一番くびれた所(人差し指をかけるあたり)でガチガチの時より10mmほど深くなります。握っている中指にレバーが接触しそう。それでも効くには効くのですが、降りの時など怖くてなりません。
購入時点でマスターシリンダはグリメカでした。グリメカは悪いと聞きAJPの新品に替えましたが同じです。キャリパーはAJPです。純正はキャリパー、マスターともにAJPです。再度書きますがグリメカ、AJPともに前述の症状が出ます。
私がやったメンテナンスはまずキャリパーのブリーダバルブからのエア抜きです。一度で気泡が出なくなります。キャリパーをフォークのステーから外し色々傾け、プラハンマーで軽く叩きまたフォークに取り付け、エア抜きすると必ず一度目のブリーダーバルブ緩めで気泡が出ます。二度目はまったく出ません。外したときキャリパーが対向ピストンに押されて合わせ面が開かないよう留意はしています。外したままのエア抜きはボルトを締めてしています。
これを何度繰り返しても、気泡が止まることはありません。乗ったあとは普通にエア抜きしても気泡が出ます。マスターシリンダのピストンを外してもエア抜き出来るようですね。液がこぼれないよう傾けてピストンを抜き、フルードを満たし、ピストンを再挿入しました。これだけの作業をしました。キャリパーの何処からもフルードは漏れていません。ピストンシールからも。二面合わせたOリングでシールしたところからも。(他のAJPキャリパーを完全分解したこと有り)ブリーダーバルブの所もたぶん漏れていません。何日か乗るとバルブ周辺の埃に僅かな滲みは見られますが、バルブの穴の中まで吹き飛ばして試験していないので…マスターの方はまったく滲みはありません。何が悪いとかさっぱり解りまっしぇん。意気消沈しとります。特に、なしてフロントホィールが浮いたらスカスカいなるとかぜぇんぜぇん解りまっせん。どうか、あたきになんらかの指針ば示してつかあさい。よろしゅうお願いします。
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なかなの長文、読みますともうこれ以上手だてがなくてお困りなのが、手に取るように分かります。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥でして、よくぞ恥を忍んでお聞きになりました。1発で解決する方法をお教えいたします。
・前ブレーキをカチンと利く状態にします。その状態では、何度前ブレーキレバーを握っても、利く位置は変わりませんよね。同じ位置でよく止まります。
・次に、ブレーキディスク板にピッタシとくっついている左右のブレーキパッドの隙間にマイナスドライバーを差し込んで、ブレーキパッドを少し左右とも広げてやります。
・つまり、ブレーキパッドをブレーキディスク板から少し離した状態にします。
・さあこれで、前ブレーキレバーを握ってみましょう。あなたが乗っている時になった「フロントが浮いて着地した時にレバーがスカスカになります」に見事になりましたよね。
・次に、そのスカスカになったレバーを何度か握ったり離したりしてみます。すると、元の状態に戻りカチッと利くようになったでしょう。これも、まさにあなたの言葉「乗車したままレバーで何度かポンビングするとまたガチガチになります」ですね。のように、特に前ブレーキに頻繁にこの現象が出ます。あなたのお困りの現象はブレーキ関係の製品の不具合でも何でもありません。業界用語で言う「バカブレーキ」「ノーブレーキ」現象なのです。この原因のすべてはブレーキディスク板にあるのです。
トライアルバイクの場合、前後ともにブレーキディスク板の取り付けはフローティング構造になっています。フローティング構造とは、ブレーキディスク板をホイルのハブにしっかりと動かないようにガッチリ締め付けないで、ウエーブ(波状)ワッシャと段付きカラーを使って少し動くようにグラグラするように固定しています。
これはブレーキディスク板をつかんで左右に動かしてみれば、少しグラグラ動くことで分かります。では、何の為にこうしているのでしょうか。そう、ズバリあなたのお困りの現象になる事を防ぐためです。
後ろのホイルは、後ろから見てスピンドルシャフトを中心に「右に左」にねじれ動く事はそうはありません。これは頑丈なスイングアームについているうえに、スイングアームの根本からホイルまでの距離が短いからです。
前サスペンションは皆さんも知ってのとおり、転んだりしたらフレームと横90度についているはずのハンドルがいとも簡単に斜めになったりします。その状態はホイルをまっすぐにしてもハンドルは斜めになっている状態ですね。この時は木かなにかに前ホイルをカンカンと当てて、ハンドルのねじれを修正して解決しています。
前ホイルは、フロントフォークという長いものの先に付いているうえに、そのフォーク自体も細いので、強度のないグラグラしたものの先っぽについていると考えてください。これは、フォークの真ん中に前フェンダーを取り付けている、スタビライザという左右をつないで強化しているものがあっても、格段には強度アップはしていないとも考えてくだ
さい。ということで、上から見て前ホイルは正しく正面に常に向いてなくて、あなたの言う
・フロントが浮いて着地した
・ハンドルで強引にねじるように前タイヤを左右に動かした時には、前タイヤはスピンドルシャフトを中心に、左右にほんの少しねじれているのです。でも、そのねじれは前フェンダーを取り付けているスタビライザの元に戻す剛性やフロントフォーク自体の復元力の範囲内なら、またすぐに正しく前ホイルは正面を向きなおしているのです。
さて、ブレーキディスク板を左右からはさむブレーキパッドのついているキャリパーは、フロントフォーク側に付いています。ブレーキディスク板はクルクル回る前ホイル側に付いています。前ホイルが左右に少しねじれるということは、当然それに付いているブレーキディスク板もつられて左右に少しねじれているということになります。
結果、ブレーキディスク板に左右にピッタシに接触しているブレーキパッドを押し広げてしまうのです。最初に実験をしたマイナスドライバーで左右のブレーキパッドを少し広げた状態、マイナスドライバー代わりがブレーキディスク板というわけですね。
これで、ターンした瞬間とか前タイヤを落とした瞬間とか、ブレーキパッドの隙間がまた元の位置に戻るまでに、ブレーキをかけるとノーブレーキが起きてしまうのです。危ないでしょう、怖いでしょう。
この問題は、それぞれが違う場所に付いているブレーキパッドとブレーキディスク板が別々に動くからこうなるんで、同じ動きにすることで解決できます。例えば前ホイルが右に少しねじれても、前ホイルに付いていて、かつブレーキパッドにはさまれているブレーキディスク板は動かなければいいのです。
逆の言い方をすれば、ブレーキディスク板は左右に動かず、おおもとの前ホイルだけが動けばいいのです。
ということは、前ホイルについているブレーキディスク板をしっかりと固定せずに、少しだけグラグラ動かないような固定の仕方をして、ブレーキディスク板とブレーキパッドが一緒に動けばいいのです。この取り付け方法のことを「フローティング構造」というのです。
あなたの03、ガスガスプロ250中古は、前ブレーキディスク板はフローティング構造になっているでしょうか。なっていても、動きが少しでないでしょうか。ボルトやカラーが錆び付いて動かなくなっていませんか。それとも、ガチガチにしっかりと固定されていませんか。これが、ご返事です。
Gas-Gasのことはさっぱり分かりませんから、具体的にどうしなさいとは言えませんが、前ホイルに付いているブレーキディスク板をグラグラさせることが解決策ですね。
黒山選手、Betaの時も現在のスコルパ2stも4stも、このフローティング構造をより大きく左右に動くように改造しています。Betaは前後ブレーキともにフローティング構造になっていますが、スコルパは後ろは固定式でフローティング構造になっていません。でも、スコルパのスイングアームは頑丈でフローティング構造になっていなくても、バカブレーキになったことは一度もありません。
黒山レーシングレーサー整備室の作業内容カタログの前ブレーキのところに、以下のようにすでに広告済みです。価格未定なのは、オリジナルの段付きボルトの仕入れ価格がまだ、依頼先から連絡がないからです。
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9) スコルパ 前ブレーキの利きをさらに強力に
→ 価格未定
*前ブレーキディスク板を、純正ブレーキパッドと相性がよく、かつブレーキパッドの
当たり面がすべて当たる大きさのに交換します。そして、より動くフローティング
システム構造にして、ターン時のいわゆるノーブレーキを完全になくします。