<Beta純正左右マスターシリンダーレバー取り付け部の全損修繕のいきさつ>

多くのトライアルバイクの左右マスターシリンダーは「AJP」です。ですが、BetaだけはBetaオリジナル純正として「グリメカ」を採用しています。まあ、AJPもこの部分が折れない事はないのですが、Betaのグリメカの方が転んだ時、確率的に多くレバーの付け根部分が折れてします。

普通は、レバー取り付け部の下側のみが折れて、上側部分は残っています。ですが今回、女子部のメーテルがビッククラッシュいたしまして、写真の通り、ブレーキ側マスターシリンダーレバー取り付け部が、見事に上と下の両方折れてしまいました。

こうなると、新品交換以外に手だてはありません。ですが、定価で17,220円でしょう。「お父さん?♪ なおしてぇ?好きぃ??♪」と女にすり寄られると、男はユンケルかマムシかドリンクを飲んで頑張ります。で、頑張ったいきさつは以下の通りなのである。

まずは、上側から取付けます。

軽く、向こうと手前を仮付けします。折れた部分の溶接する所に隙間が開いているのは「開先(かいさき)」と言いまして、ここに隙間が開いていないと表面のみ溶けて溶接し、奥まで溶かして溶接する事が出来ないからですね。突き合わせ溶接では、一丁目一番地の下ごしらえ基本作業です。

上側がつきました。この状態は荒溶接で、下側も溶接しましたら最後に上も下も「化粧溶接」して仕上げます。

上側は「感」で位置決めをして溶接しますが、下側はこのような治具というかカラーを間に差し込んで位置を正しく決めて溶接します。

下側の溶接完成写真。

実際にレバーを取付けて、動きは問題ないかをテストします。

往復するピストン部のダストシール取付け部分の溝部分の写真です。この溝部分が溶接でなくなってしまいますと、ダストシールが食いつきません。この部分の溶接は手が震えると無理ですので「鹿児島いも焼酎」を浴びせ飲みし、震えを止めてから行います。それと、老眼ですと厳しいものがあります。「老兵は静かに去るのみ」ですかね。

見かけはどうあれ、実用上問題ないところまで復活しました。経験上、金属は溶接した部分は「元」よりも強くなります。この溶接に使用しています溶接棒は、フレームやスイングアームを溶接する時に使う「A7N01」材用の溶接棒ですので、純正よりも間違いなく強くなっていますね。

この修理をご希望の貴兄は

上下分離だと修繕代「7,000円」
下側だけだと「5,000円」

でお受けいたします。マスターシリンダー全部と折れた取り付け部分を送って下さい。

黒山選手のTYS250Fの整備修理は二郎君メカで、女子部のBetaEvo2T.250の整備修繕はお父さんというのが、現在の黒山レーシングレーサー整備室の図式なのである。

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