<TY-S125Fに、'08年TY-S250Fワークスマルゾッキ40φフロントフォークをつけたらどうなった?>


どスタンダードのTY-S125Fについた、マルゾッキ40φフロントフォークとホイル関係。

黒山選手の'08年ワークスバイクTY-S250Fのフロントフォークは、'07年までのパイオリ38φから、インナーチューブがアルミのマルゾッキ40φに変更になりました。

インナーチューブが鉄からアルミに変更になって、強度が落ちると思いきや、その分38φが40φになり、つまり骨太効果は絶大でしてフロントフォークの剛性アップは、民間人皆様でも体感出来る程です。

黒山選手のようなプロフエッショナルのライダーのバイクは、すべてに「慣らしのすんだ、いつでも使えるスペアパーツ」を常に持っていて当たり前ですね。
例えば、前後スペアホイルに取付けているタイヤでも、絶対に新品なんかはつけません。前後共に、慣らしをすませ一皮むいた'08年製ミシュランタイヤを取付けて全日本に持っていきます。

当然のごとく全日本には、フロントフォークも左右スペアをComp(コンプリート/組み立てた状態)で持っていって当たり前。

マルゾッキ40φの欠点は、性能や剛性はとてもOKなのですが、新品状態ではテストライダーのコロメが言うように「使えるようになるまで、毎日乗って1カ月かかる」ですね。ようは、新品状態では動きがとても渋いという事。

これはバラしてみれば分かりますが、原因は以下の4つと考えられます。

  1. オイルシールに2カ所(オイル漏れ防止)、ダストシールに1カ所(ゴミ泥入り防止)の合計3カ所も「巻きスプリング状のOリング」でインナーチューブを締め付けている。

    対策→オイルシールとダストシールをスペシャル対策品と交換して、オイルシール1カ所だけの「巻きスプリング状のOリング」にしてしまう。これで、アウターチューブの動きがうんとスムーズになります。締め付け不足による「自然オイル漏れ」は、今のところありませんです。
  2. 伸び側のダンパー効果を出す内部のカートリッジが「オイル完全密閉タイプ」の為、カートリッジの中のオイルを漏らさない為に、ここにも渋いオイルシールを使っている。ようは、オイルの中で、その中でまたオイルを閉じ込めて動かしている。

    対策→企業秘密になるのですが、「ある工作」をすると新品の状態ですぐに、カートリッジが1ヶ月乗ったのと同じスムーズさになります。オイルの中でのオイル漏れも、ばらしてみるとオイル量で分かりますがオイル漏れはありませんですね。
  3. これも企業秘密の部分になるのですが、コストを下げる為に、左右共に「ある動きを制御する部分」にケチった部品を使っている。これの性能が悪く動きが渋いのです。

    対策→ケチった部品を、由緒正しい旧タイプの部品と交換する。昔の部品がすべて古い(悪い)わけでなくて、品質のいい部品を使っている場合がたくさんあります。
  4. 新品フロントフォークは、何でもそうですが、インナーチューブとアウターチューブのはめあいがきつく、動きが渋い。

    対策→こればっかりは、コロメが言うように「乗り込む」しかありません。

ということで、「動きの悪い原因、その4)」対策として、黒山選手の予備のマルゾッキ40φ左右を二郎君のバイクに取付けて、二郎君に徹底的に乗り込ませスムーズに動くようにする作戦開始です。

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二郎君が全日本でサポート、はたまた大会時緊急の部品取りとして乗っているバイクは、黒山選手が'07年に使ったワークスTY-S250Fです。
このバイクのフロントフォークは、始めに書いた通りパイオリ38φがついています。この'07年TY-S250Fに、マルゾッキ40φを取付けようとしますと、作戦として

  1. フロントフォークを差し込んでいる上下の三つ又の穴径を「38φから40φ」にフライス盤であけなおす。これだと、上下三つ又を買わなくていいから、民間人には安く上がる。
  2. 以前、38φBeta/Rev-3にHONDAの39φのフロントフォークを取付ける為に、穴径を39φに広げた経験があるけど、本能的にこれが広げる限界で、三つ又自体の強度の限界だと思いました。ということで、これはしない方がいいですね。
  3. 王道はやっぱり、'08年の純正品上下三つ又に交換して40φフロントフォークを取付ける、ですね。これは、'07年に'08年の40φ用三つ又上下がそのまま取り付きます。ステアリングシャフトの長さも、ロックナットの位置もそのままピッタシです。

ということで、慣らしをする目的のマルゾッキ40φを、二郎君の'07年ワークスTY-S250Fに取付ければいいのですが、ここで問題があるのです。

このワークスバイクに乗るのは全日本のサポートの時だけで、二郎君、普段はこのバイクには乗っていないのです。そう、二郎君のなけなしの貯金をおろして買ったTY-S125Fしか乗っていないのです。


黒山チームにある3台のTYSです。


赤ゼッケンが'08年ワークス黒山選手用、黄色ゼッケンが''07年ワークスで現二郎君のサポート用、緑ゼッケンが二郎君個人用125です。

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'08年マルゾッキ40φ用の三つ又上下にステアリングシャフトは、TY-S125Fにつくのでしょうか。そうです、何もなしにそのままつきます。これが本題の結論です。


そのままボルトオンでTY-S125Fにつく、'08年SY250Fマルゾッキ40φフロントフォークです。


三つ又もステアリングシャフトの長さも同じ、ホイルも同じ、ブレーキキャリパーも同じ、すべてボルトオンでつきます。はい、終わりです、また次回をお楽しみに。・・・・では、終わらなかったのです。


TY-S125Fに組み替えて完成したマルゾッキ40φフロントフォークを、さっそくテストする二郎君。

二郎君は、テストライダーとして使えません。後ろタイヤがパンクしていても、後ろブレーキが壊れてきかなくても、世界選手権のコースをお兄ちゃんの後ろを重いリュックサックをかついで、ピッタシについて走る技術を持っています。つまり、バイクはどうでもいい、何でも乗ってしまう派のライダーなのです。

フロントフォークがマルゾッキ40φに変更になったTY-S125Fを見て、日頃は二郎君の125なんて見向きもしない黒山選手が、おもしろがって山で乗って遊んでくれました。これで黒山選手の神の一言「後ろが負けている」ですね。

二郎君、前がワークス40φになっても「よくなった」と言うだけで、「後ろはこのままでいい」と申します。でも、Beta/'00年Rev-3のすべてをテストして作り上げた経験を持つ黒山選手は違います。

前の40φの動きは少し渋いけど、乗り込めば、今使っているのと同じ。でも「前の動きがこれで、後ろがこの動きではとてもトライアルは出来ない」と申します。二郎君、ぼそっと「俺はこの動きでいいと思うけどなぁ〜」と小声で申しておりました。

二郎君号のリアクッションは、沖縄在住、125で沖縄選手権を戦っている神谷さんの意見も取り入れて、かつ二郎君の意見も聞いて「いい方向にいっているはずだ」のセッティング変更をしています。ここでテストライダーの差が出まして、神谷さんと二郎君は「いい方向にいっているはずセッティング」を、黒山選手は「全然、違う方向にいっている」とのご指摘です。

交換前のアジャスターも何もなしのどスタンダード38φフロントフォークなら、神谷さんと二郎君の「いい方向にいっているはずだ」セッティング変更でよかったかもしれません。さあ、今度は後ろのリアクッションを、前のワークス40φの動きに合わせるセッティング変更開始です。


これが、どスタンダードのアジャスターも何もなしのパイオリ38φフロントフォークです。

黒山選手のワークスバイクについているリアクッションは、スコルパ純正でなくて、ヤマハ発動機(株)のサスペンション専門子会社の「創輝H・S(株)」のスペシャルです。もち、サブタンク付きです。
ロードもモトクロスも、ヤマハワークスバイクのリアクッションはすべてこの会社製のスペシャルです。

  ※注:個人向けトライアル車用パーツは扱っていません。


黒山選手のスペシャルリアクッションです。伸びも沈みも、別々に動き渋さを調整出来ます。

黒山選手のスペシャル製のサブタンク付きと同じセッティングには、スタンダードサブタンクなしでは絶対に同じになりません。「まあ、何とか我慢して使える」までが限界ですね。

前も後ろも、どこをいじればどうなるに経験の多いお父さん、見事、3回のばらし組みセッティング変更で黒山選手の「しぶしぶ認め印を付いてもらう」のところまで「いい方向へ」いきました。


お情けで合格をもらったリアクッション完成


高圧チッソを入れるバルブをつけています。

バイクをいじるということは楽しく面白いものです。性能はどうあれ、いじるの大好き大歓迎です。
でも、そのバイクで大会に出て勝負するとなると話は別の世界で、「いい方向へいかせる」メカの腕前と、「いい方向へいっている」と判断出来るライダーの腕前の、二つの腕前がセットで必要です。

黒山チームの考え原点は「出来る限りスタンダードで性能を発揮させる」「あとは腕前でカバー」です。

今回、TY-S125Fにマルゾッキ40φフロントフォークを取付けたのは、スタンダードに不満があったわけではなくて、黒山選手用予備新品の慣らしをする必要があったからです。
当然、慣らしがすみますと、またTY-S125Fにはスタンダードのアジャスターも何もない、どノーマルフロントフォークを取付けます。

さて、その時に「良い性能の前に合わせた後ろが、どういう動きに変化するか」がとても楽しみなのです。

スタンダードをいじるとどこまで性能が上がるか、はたまた、あるこの部品はつくのかつかないのか、たとえそれがついても性能が「いい方向にいっているのか、いないのか」を、この<関西発、TY-S(SY)125Fの情報満載艦!!>でバンバン紹介していきますのでお楽しみに〜!!