<スコルパライダーに告ぐ、その2>

お父さんが始めた頃のトライアルバイクは、フレームパイプはすべてエンジンの下も通っているタイプでして、フレームそのものがアンダーガードも兼ねていたという構造。

HONDAバイアルスもSUZUKI.RLもKawasaki.KTもそうで、が体は大きくなるけど丈夫ですね。これって、確かダブルクレドール型フレームとか言いませんでした?間違っていたらゴメン。

そうこうしていると、現在のお父さんの上司の「当時、若き高校生ライダー木村治男」さんの駆るYAMAHA.TYがエンジンの下にフレームがなくて、そのかわりにアルミのアンダーガードをつけたフレームが登場しました。これって、確かダイヤモンド型フレームとか言いませんでした?間違っていたらゴメン。

エンジンとアンダーガードを、フレームの一部として強度計算したのですね。当然、がっしりとエンジンは4カ所の部分でフレームと結びます。そして、アンダーガードも前後でしっかりと結びます。

さて、TY-S125Fのお話しに移ります。当然のようにTY-S125Fのフレームは、エンジンの下にフレームのないタイプでして、エンジンをフレームの一部として設計し、しっかりとエンジンとフレームを結びつけています。

普通、エンジンをフレームに結べつけるボルト穴は4カ所です。このTY-S125Fのエンジンも前後上下4カ所にボルト穴があいています。ですが、元々トライアルエンジン用に設計されていませんので、写真のように前の下にあるボルト穴は使っておらず、3カ所のボルト穴でしかフレームと結ばれていません。

こうなると、この1か所ボルト止めしていない分の強度補助分は、アンダーガードの役目担当しかありません。ようは、エンジン3カ所止めのTY-S125Fは、アンダーガードの強度を保ちなさい。つまり、あまりにアンダーガードを消耗し過ぎてヘレヘレになったら、早い目に交換しましょうというお話しです。

アンダーガードは1万円で新品がありますが、クランクケースが割れたら、その交換工賃だけで4万円はかかります。

二郎君号のTY-S125F、あまりの練習の激しさにこのように「厚さは削れて薄くなり」「一番打つ所にクラックが入り」もうフレームとしても、アンダーガードとしての性能も期待出来なくなりました。

で、当社にあるA2017(ジュラルミン)で自作しました。このA2017(ジュラルミン)については後述します。

純正アンダーガードは厚さが5ミリですが、6ミリ厚さにしました。純正と自作を重ねてみましたが、一番前の上を見ていただけますと、その厚さ違いがよく分かります。

多くのショップ製のように、前部の岩なんかに当たらない部分の肉抜き軽量化は、ことTY-S125Fのアンダーガードにはしない方がベスト。アルミ板を曲げたそのままが一番強度があるのです。

スコルパ社以外のエンジンは、始めからトライアル用に作られていますので、エンジンはフレームに頑丈に止めてあります。ですが、最初に書いたようにTY-S125Fのエンジンは、止める部分が1カ所パスされていますので、見かけデザインや軽量化の為に、アンダーガードに大きな穴をあけるのはよくないのです。

見かけは無骨ですが、見るからに頑丈そうでしょう。鉄ならいざ知らず、実際のところ、アルミに穴をあけてもそうは軽くはならないのです。

製作に使いましたA2017(ジュラルミン)ですが、能書きは以下の通りです。

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A2017(ジュラルミン)
 
ジュラルミンの代表格。コストパフォーマンスが非常に高い。鉄鋼材;SS400に ほぼ匹敵する硬さ(引張り強さと同義)で、一般的なアルミと異なりタップ加工後の ヘリサートも不要、工作機械での削りやすさも群を抜く反面、溶接不適、他のアルミ よりちと腐食しやすいなどの落とし穴もあり。

A5052(ジュラルミン)

汎用のアルミ合金。安価、耐食性が良く、溶接可。ただし切削加工にはやや軟らか すぎ、寸法精度の厳しい加工には不向き。

A5083(ジュラルミン)

硬さは汎用のアルミ合金(A6063,A5052)を一段上まわり、軽負荷であればタップ 加工後のヘリサート不要。とくに溶接性にすぐれ、耐食性、強度とも良く、軟らかす ぎないので切削加工したさいの寸法精度も良い。成形性はA5052に劣る。

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日本工業規格の、この能書きを読んでみると

・A2017→溶接不適
・A5052→溶接可
・A5083→溶接性にすぐれ

とありますよね。

ちゅうことは、どのメーカーのでもことアンダーガードに関しては、曲がったのをプレスかなにかで元に戻すのはいいとしても、二郎君号写真のようにクラックの入った部分を溶接をしたり、強度を増す為や、横からの打撃を防止する為に左右にアルミ板を溶接するのは、絶対にしてはならない事ですね。

「A2017→溶接不適」ということは、このアルミは「溶接すると柔らかくなり、以後はそのまま強度が戻らずフニャフニャのままですよ」という事です。

アルミフレームやスイングアームは、A7N01という品番の材料を使っています。このアルミは溶接したときは強度がフニャフニャですが、約1ヶ月で元の強度に戻るという優れものです。「いいものは高い」でして、高いです。

アンダーガードの横に溶接をしてはいけません。ですが、やっぱり左右の防御板が欲しい場合は、このように曲げた板をボルト止めするのがベストですね。

日本の各ショップで、数多くの自社製アンダーガードが販売されています。このTY-S125F用でも5社は下りません。

ということで、いまさらアンダーガード販売もないでしょうが、

  • 軽量化の穴あけなし
  • 無骨頑丈そのもののお父さん手造りで
  • 6ミリ厚アルミ板そのもの切って曲げただけの

    「A2017製アンダーガード」写真の平ゴムと
    前後ボルトナット付きで「送料サービスの9,800円」でどうだ!!

テストライダーの二郎君に言わせると、今までの5ミリ厚ヘレヘレ末期アンダーガードから、新品の6ミリ厚穴あけなし頑丈アンダーガードに交換すると「フレームががっしりした」のが体感出来るそうです。

追加で参考までに、このホームページにある<クランクケース底部にある凸部の改良の巻>を参考にして、この出べそ凸部を必ずサンダーか何かで削ってから、アンダーガードを取付けて下さいね。

でないと、この凸部が押されて周囲にクラックが入りますよ。

それと、ついでに凸部の右上に見える出っ張りも削って下さい。この出っ張りは、クランクケースを左右に割る時に、プラハンマーで叩いて左右に割る部分ですから、ほんの少しあればいい部分です。ここも、アンダーガードに当たる可能性のある部分ですね。